2009年3月14日土曜日

Wrapping Up - 店じまい

夜逃げではない。レイオフでもない。ただ、長年続けてきたNYでの生活と仕事をかたづけているだけだ。昨晩はレイチェルのアパートに預けていた最後のファイルを受け取って、ホテルの部屋で仕分けをした。さんざん苦労をしてきて、まだ続くであろうIRS関係のファイル。労災、公的な保険関係。亡くなってしまったブルースを含め、最後まで手伝ってくれた人々の人事ファイル。銀行口座関係。小切手。会社登記関係。等々。会社の清算は、まず2008年分の申告が秋頃までかかり、それから3か月分だが、2009年分を閉めてからようやく解散手続きに入る。弁護士とも相談したが、今年中にはなんとかしたいものだ。ただし、NYの住所にはその後もIRSから何かと来るかもしれない。というか、来るに違いない。しばらくは、しんぼう強く頑張るしかないな。さあ、日本への最後のひと箱を隣の郵便局へ持ってゆく事にしよう。

2009年3月13日金曜日

New York - First time for the year

3月も半ばだが、考えてみたら、NYへ来るのは今年初めてだ。毎月往復していた昔がうそだったように最近は東京に定着しているので、NYへ来るのにちょっとだけ緊張感がただよう。しかも、GCを返して以来初めてだから、手順も違う。まず成田。チェックインでは、昔はGCを見せれば、帰りの切符がどうのこうのはなかったが、それがある。通関は、日本のパスポートを自動に登録したので、長い列は通らなくてよくなった。機内では「ビザ免除」の用紙に記入が必要になった。JFK到着での並ぶ列が変わり、審査では、全指の指紋と顔写真を撮られた。ただ、それだけだが、それだけで、外国人になったのだと十分実感した。NYは0度前後で、ちょっと寒い。明日まで最後の作業をして、引き揚げる。

2009年3月10日火曜日

信念なき人々 - 記憶も前言も

西欧の起源はギリシャだと誰かの本にあった。ギリシャは哲学発祥の地でもある。いつかは行きたいと思っているが、まだその機会に恵まれない。関係無いようだが、アメリカは宗教の国と言っていいかもしれない。宗教は信念を心に持ち、その信念を言葉に出すからだ。心に持つものと、言葉に出す物が一致している事を逆に言えば「信念」という。だから、江戸時代の「踏み絵」が成り立ったのだ。一方、何処かの国の政治化達。「記憶にありません」は言葉で心を隠蔽しているし、「前言撤回」は、言葉をもてあそんでいる。こういう事を大人の代表である政治屋が平気でして、メディアも報じるから、子供たちも何が何だか分からなくなる。「言葉を失うと全体主義を取り込む」、ハンナ・アーレントの言葉だそうだ。

2009年3月9日月曜日

これからの500年 - 逆流?

金曜日のシンポジウムの中で、「逆流するグーテンベルグの銀河系」という話があった。1450年頃グーテンベルグの印刷技術による「活版印刷」の登場は、出版、映画など近代世界のメディアの基礎を築き、それを「銀河系」という言葉で表現した。確かに、印刷物、写真、映画などは視覚を誰かの視点で固定し切り取り、複製するというパラダイムであり、世界の活動のすべてがそれで動いていた。それが、今考えれば、500年経った1950年代のコンピューターの登場での「デジタル技術」の進化により、その銀河系が逆転を始めたというのだ。つまり、固定化されていたものが、個人の世界へ解体され始めた。誰もが著者になり、読者になり、視点はバラバラになる。金融危機は100年に一度というが、もしかすると500年に一度の波動かもしれない。