2009年5月27日水曜日

西欧の近代 - 絶対価値の喪失

この後の世界はどうなるのか。青臭いとは思うが、又その手の思考意欲が頭を出した。という事で、佐伯啓思の「人間は進歩してきたのか」の再読を始めた。乱暴にまとめれば、西欧の起源は古典古代の市民精神とキリスト教の二つを基盤に重層的に変化し、自立させられた合理的個人を作り出したが、絶対的価値が崩壊し、ニヒリズムに陥った。つまり、神の権威も、それを個人に内面に取り込んだ禁欲的合理価値も怪しくなり、人としての存在の疑問の中で、悩んでいるという。確かに、最近でも、資本主義はその起源に張り付いていたキリスト教的倫理観から大きく剥離し、グローバルな危機を生んだ。世界規模の戦争はもはや無いとは思うが、経済という活動も形を変えた戦争のような物だ。と、ここまで考えて、ふと思う。古代と言ったって、高々2000年前で、人類の200万年の時間からすれば極最近の事だ。ヒトのDNAはその狩猟時代に形成されたと言う事だから、そいつらの「価値(判断の基準)」はなんて考えると、やはり「種の保存」なんて事なのだろうか。

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